卒業記事特集 (ヒロの卒業) 第六章 (ここ数年のAIU外部のグローバル教育の変化と内部の変化)
さて、第六章ですが、今度はAIU開学から8年目に書かれた『学歴革命』ですが、
この当時とAIU開学15年を迎える今年とでは8年のタイムラグがあります。
この間AIUの外部では何があったのかについて書きたいと思います。
一つ目がAIUみたいな大学の乱立が起こりました。
色々な大学がAIUと似た、大学名、学部、学科名、
たとえば、~国際、グローバル~、そのほか。
これらの大学も初期は本当にピンキリで、留学へのサポートのノウハウもわからず、
留学を謳いながら実際は大手旅行代理店の留学プログラムの活用という、
ひどいものが多かった印象があります。
これは、政府のAIUのような大学グローバル大学創生支援等の事業による補助金目当てであったような感じますが、まあ、それはさすがに安易に補助金を交付するほど政府は甘くはないですね(笑)。
しかし、今、国公立大学と一部私立大学において、
例えば元々名前のある~外語大学や~外国語学部が
AIUを研究し似たような中身を持つ教育を行い始めているのが実情です。
つまり、本格的なライバルです。
AIUはたしかにその当時、革命的な大学でしたし、
このような大学革命の流れを作り出した大学でありますが、
既にブルーオーシャンの分野ではなく、これから教育等いろいろな面で特徴性を出していかないと、個性的な大学としてのブランド価値
(というと、名前だけのような気がしますが、実際に個性的ではあると思いますよ)、
が落ちてしまうことにもなりかねません。
学内でもいろいろ議論がありますが
(ただ、個人的には多くの学生が危機を認識しているかは
怪しいところだと思います)
憶測にすぎないものも多いですし、
ここでいろいろ風呂敷を広げることはしないことにします。
ただし、どちらにせよ、
来年開学15周年を迎えるAIUは新たな特徴性を生み出す、もしくは、現状を再認識し、もう一度大学を見つめなおす時期に来ているとは感じています。
僕は(日付まわったので)今日卒業しますが、それは気がかりです。
さらに、僕の上の世代から言われ始めたことで僕自身も感じるのが、
AIUに入る入学者の多様性が減ってきているとにわかに感じてたりします。
これはかねてから、中嶋学長も危惧しておりました。
『学歴革命』にも
『偏差値が高くなったことで、東大、京大、一橋、阪大や、早稲田、慶応大とのいわゆる併願者が増えています』
『AIUが既存の大学にヒエラルキーの下で単なる偏差値の高い大学として位置づけられ始めていることは私たちの本意では決してないのです。』
要するに高学歴化といいますが、
簡単に言えば(テストができる高校生)の割合がましているということです。
(→なお、これは僕自身にも言えます。
まあ、理系の国公立志望という点で多様性の面では
比較的望ましかったともいえますが)
これは、AIUの大学一年生の最初のEAPのレベルにも表れます。
開学当初は8割がEAP1(一番下のコース)だったのが、
今では75%程度がEAP3にはいるようになっている。
※ただ、これは海外経験が多いということではなく、
純ジャパのレベルが上がっているという印象です。
AIUには多くの試験制度があり、
基本的に(テストができる高校生)が入るA日程、B日程。英語一本のC日程、
個性の塊ギャップイヤー、秋田魂グローバルセミナー、社会人入試、
AO入試、推薦入試といった具合なのですが、
全体的に'テストができる'高校生の入学が
増しているのはおそらく傾向としてはあるでしょう。
僕もその一員ながら、AIUの最適なバランスとしてはほんとに、
若干ですが日本人の多様性減少の方向にいっているのかなと。'個人の意見ですが。。'
ほぼ、日本全国どの都道府県からも学生が来ているため、
そういう面での多様性は確保されているようですが、、
(たしか、昨年の卒業で全県コンプリートではなくなったような。。)
中嶋学長に影響を受けた世代のギャップイヤー入学生(個性の塊)たちは、
エネルギーだったり、反骨心といいますか、フロンティアスピリッツのようなもの?
が新入生のギャップイヤー生に、足りないと懸念を示していましたね。
(やはり、ギャップイヤーには特別な思いがあるようで)
まあ、これはAIUの入試が大手予備校に研究され攻略の最善手、最短ルートを開発されているのでは、と勘繰ってしまいますね。
小中高10年間ほど塾に行っていたバカ息子の自分としては。彼らはしたたかですから。
どちらにせよ、昔より入学時に英語ができる人間が入る大学ということ
になってきているのはたしかです。
しかし、そもそもそんな大学を僕らの大学はおそらく目指していない。
もちろん、できるに越したことはないのかもしれませんが。
入試制度の改革が必要かもしれませんね。
どんなに英語ができなくても、最長1年の英語教育を積めば、なんでも好きなことを、世界の文献にアクセスできて伸ばすことができるのだから、
むしろほしいのは、英語でないところの伸びしろがたくさんある学生で、
AIUで4年間か5年間過ごす覚悟のある学生に入ってもらいたいという思いは
大学側もあるとは思うのですが。。
たとえ、英語能力に不安があって、EAP1からの始まりだとしても、
しっかり4年で卒業することは可能です。もちろん第二弾の記事で示したように
大分頑張らなくてはなりませんが。
ただあまり、それも目指す!という風には考えてほしくないという感情も
僕に芽生えます。
自分が納得するまで興味を追い続けるという風になってほしいですね。
この点も心配です。この大学でもそうですし、これからの社会を考えても、
言われたことをやって、点数を取ろうとする人間、
自分の興味関心をむやみに、狭めようとする人間の
安住の地は狭くなっていく可能性があります。
(専門教育はやるべきですが、その前、もしくはあとに、
その裾野を広げていく教養教育はこれからは必須であると考えます)
またこの章の最後の話題ですが、
近年プログラミング教育やIoTに関してかなり世の中がにぎわっています。
現時点の話にはなりますが、AIUでも2年ほど前から海外から教授をよび、
プログラミングの授業が履修できるようになり、(C#やClojureの授業)
IoTにもほんの少し手を出しました。ex) microsoft azureの活用等
(現在はさぐりさぐりなイメージですが。)
このように、大学側も僕が一年生だったときと比べて
大分授業も時代に合わせてきているし、
過去に不満があった部分を改善する努力がこの4年で感じられます。
そういう点ではこれからも成長が期待できる大学であるとはいえるでしょう。
※日本中が今そうなっているからという可能性も高いですが。
さて、第七章はAIUにおけるサークル活動と就職活動についてです