5代目☆AIUを広め隊 2021!

全国の皆さんこんにちは‼ パンフレットやホームページなどでは伝えきれないAIUの魅力を、生徒の視点から見て発信する学生団体ー それが、AIUを広め隊です‼ 今年度でこのブログも5代目となりました‼ 年を重ねるごとにさらに魅力を増していく、今全国の中で大注目の大学、AIUこと国際教養大学って何?と疑問に思っているそこのあなた‼‼‼ 愉快で個性的な隊員たちが、そんなあなたのためにブログを書いちゃいます☆ You should be reading!!

「がんばれば報われる」は奇跡 新生活に向かうあなたに考えてほしいこと。

みなさんこんにちは、あんぱんです。

 

前回の「あなたもコロナ禍のAIUサバイバー?~入寮時の持ち物について~」を読んでくださったみなさんありがとうございます。

 

hirometai2016.hatenablog.com

 

 

多くの皆さんから反響をいただき非常に嬉しかったです!特に春からキャンパスに来る16期秋入学、17期、18期の皆さんに役立てていただけたら幸いです。

 

あんぱんは最近4月からの自炊生活に備えて、自炊を始めました!!!!

グローバルビレッジの広くはないキッチンで頑張ってます(笑)

またそんなAIUでの自炊についての記事も書くことができればと思っています😋

 

先日C日程の合格発表がありましたね。合格されたみなさん、本当におめでとうございます。そして、最後の受験日程であるC日程まで受験されたみなさん、お疲れさまでした。

 

C日程が終了したということは、AIUの2021年春入学用の入試は全て終了したことになります。今これを読んでくれている方は、何らかの入試で合格されて春から18期生になる方々かもしれませんし、惜しくもAIUには不合格で、AIU以外の大学に進学される方かもしれませんし、AIUの9月入試や、再受験も含め、来年度の入試に向けて勉強されている方かもしれません。

 

3月末は人々の心境がゆらゆら揺らぐ時期だと思っています。合格され入学を決定された皆さんは、コロナ禍でのキャンパスライフに不安を覚えながらも、浮足立った気持ちを隠せずにいるのではないかとお察しします。来年の受験や、再受験を考えているみなさんは、きっと今は「来年受かるのだろうか」「来年は受かれるのだろうか」という気持ちでいっぱいでしょう。

 

今日は、そんな新生活に進む、不安や期待など、いろんな気持ちを抱えた全ての皆さんに向けた記事を書きたいと思います。

 

今日のテーマは、『「がんばれば報われる」とは』です。みなさん、一度はこの言葉を聞いたことがあると思います。「頑張れば報われる」とは、「努力さえすれば必ず結果につながる」という意味で、ベートーベンや、名選手の王貞治さんなどが努力の大切さについて述べたとき使用した名言だそうです。

 

確かに、努力の大切さを、人一倍どんくさい私は人生をもって体感してきましたし、頑張ったことで結果を出せたことも沢山あります。特に秀でた才能や特技があるわけではない私が、小学生の頃から英語だけでなく、様々なことに興味を持ち、考える、ということをを自分なりに「頑張って」きたことが、少なくともAIUに入学することができたひとつの要因だと思います。もっと努力が必要ですがね...

 

そして、この「頑張れば報われる」という言葉を特によく耳にするのが、受験の合格発表です。第一志望の学校に合格したであろう人のSNSには、「今まで毎日頑張ってきてよかったです」「努力は報われる、という言葉は本当なんだなと思った」など、この「頑張れば報われる」という言葉を肯定的に捉える人が多いな、と思います。そうであって当たり前だとも思います。成功体験を感じることはとても大切です。

 

私もAIUに合格したとき、「頑張れば報われる」を体感したとと同時に、入学してから、「頑張れば報われる」をより強く実感しているAIU生が多いんだなということに気が付きました。「私は、地方の公立高校に通って、都心の子たちよりも教育リソースがない中でも頑張ってきた。」「自分で留学したいって計画して、奨学金もとって、一年間留学してきた。誰も知り合いがいない中で頑張ってきた。」etc…

 

AIU生は、自分がやってきたことに対してしっかり目的をもって取り組み、そしてその目的に対して結果を出してきているからこそ、自分の今までの頑張りに自信を持っている人が多いです。私はそれはすごくいいことだと思います。

 

しかし、こういう考えに対して、家族社会学や女性学が専攻の社会学者の上野千鶴子さんは、東京大学の2019年の入学式祝辞で、こう述べていらっしゃいます。




(前略)あなたたちは選抜されてここに来ました。東大生ひとりあたりにかかる国費負担は年間500万円と言われています。これから4年間すばらしい教育学習環境があなたたちを待っています。そのすばらしさは、ここで教えた経験のある私が請け合います。

あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。

あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください・・・(略)

東京大学ホームページ 平成31年東京大学学部入学式 祝辞より抜粋

 

この文面を見たとき、私は、ハッと気づかされることが多く、しばらくの間黙ってしまいました。「頑張ったら報われる」というのは、ある種の勘違いだったのではないか、と。世の中には、「頑張る」という夢や目標のスタートラインにすら立てない人も多く存在し、その方たちにとって「頑張れば報われる」という言葉は意味のない言葉であること、そして、完璧な環境ではなかったかもしれないけど、それでも頑張ることを止めないでいてくれた周囲に恵まれたことはあたりまえではなかったのだと、一気に思わされました。私は、多くの人の犠牲と、支えと、見守りのおかげでAIUに入れてるんだと、わかっていたはずなのに、こういう風に改めて言語化されるまで実感できていなかったのかもしれません。

この祝辞は、日本の最難関大学であるとされる東京大学で贈られたものであることが非常に意味を持つと思います。東京大学に通われる方は、それぞれにいろんな事情があるとは思いますが、みなさん幼いころから、「勉強を頑張る」ということにおいて、その頑張りや才能を認め、伸ばしてくれる環境にあった方が多いかと思います。そんな頑張りがすぐに認めてもらえる環境がある種当たり前になってしまう人が多いであろう東京大学で、「あなたたちは確かに頑張ってきた。けどね、あなたたちが頑張ってきて、ここに来るまでに多くの人が助け、励ましてきたこと、多くの人があなたたちと同じような環境には恵まれず、あきらめざるを得なかったことを忘れないでね。」と諭すことは、必要だったのかもしれません。努力を重ねられるスタートラインに立てることの貴重さをわからないまま生きていくと、「この人は勉強を頑張った人」「この人は頑張れなかった人」など、単純なラベルを会う人会う人にはっていってしまうかもしれません。他者にどんな事情があって、どんな理由があって今があるのかわからないのに。

 

この祝辞は、そういった私たちの想像力(相手の立場になって考える力)を養うためにも存在していると思います。自己責任論が蔓延するSNS上に、相手の立場や環境を想像できる人、みんなが自分と同じラインに立てていないことを理解できる人は少ない傾向にあります。現代を生きる全ての人に向けたメッセージでもありうると思います。

 

私は、この祝辞のメッセージは、今このブログを読んでくださってる皆さん全員に、どんな形でもいいのでお届けしたいなと思い今日筆を走らせています。私がこの長々としたブログで一番伝えたいのは「頑張れば報われる」はある意味奇跡であるということです。

これから、頑張ったのに評価されないこともたくさん出てきますし(実際1年間のAIU生活においてもありました)、頑張る環境を得るまでに時間やお金がかかることなど「頑張る」ために沢山の壁がでてきます。「報われる」までに到達できないことがほとんどだと思います。それでも、そんな中でも「頑張って」生きていかないといけない。

いま、新たな環境に胸を躍らせている皆さんも、「頑張りが報われた」と思っている皆さんも、ここまで頑張ってきた自分自身を評価すると同時に、自分の今までおかれてきた環境、出会った仲間、先生、そして家族、どんな人でもことでもいいので振り返ってみてください。あなたを評価してくれた人、あなたの才能を少しでも認めてくれた人、あなたを支えてくれた人、一人はいるのではないかと思います。もちろん、普段から沢山の感謝をされていると思いますが、そういった人たちの存在は貴重なんだということを胸にとどめておくといいのではないかと思います。そして、そのような人に出会えなかった人たちが大勢いることを忘れずにいてほしいなと思います。おこがましいですが…私は、躓いて転んだとき、いつも才能のない私でも、ほめてほめてほめちぎってくれた、私の頑張りをいつも認めてくれた祖母の言葉を思い出して、前に進んでいます。

そして、いつか私も、「頑張りたい」と前に進む人たちの背中を押し、支えられる人でありたいと思います。少しでも、スタートラインにたてるひとを増やすことで、恵まれた環境にいることのできている私は、社会に貢献したいと思います。

 

全ての人が、よい環境にある、よい人に会えるわけではありません。しかし、私はこの祝辞が多くの人にとって影響をこれからも与え続けるのではないかと思います。この祝辞の冒頭から中盤までは今回取り上げませんでしたが、東大生をとりまくジェンダー差別についてのお話を上野さんは述べられています。私は、専門家でも何でもありませんので、その部分についての言及は避けさせていただきます。その部分を含め、賛否両論ある祝辞であるとは思いますが、どうしてもこの3月に一度、読んでくださっているみなさまそれぞれが一度考えてほしいなと考えています。

もし、全文を読まれたい方がいらっしゃいましたら、URLを貼っておきますのでぜひご覧になってください!https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message31_03.html

 

以上、あんぱんでした。

2020年度もありがとうございました!2021年度も、引き続きAIUを広め隊として活動していきますのでよろしくお願いいたします😊